季行分
2006年 3月 
KISO PhotoGallery(c) 写真家 山口勝廣

2006年2月4日、権兵衛トンネル完成開通。木曽・奈良井川流域の木曽地域と天竜川流域の野伊那地域の間、中央アルプス木曽駒ヶ岳連峰の山腹を国道361号線として、飛騨高山から伊那高遠までが直結しました。


≪雪の木曽駒ヶ岳連山≫



≪御嶽の霧氷≫

前夜からの雪は朝になって止み、マイナス10度を越す寒気に木々は樹氷や霧氷の花が咲いた









伊那木曽地域・第三の夜明け
≪権兵衛トンネル開通記念シンポジウム≫開催
2006・3・12 長野県伊那文化会館

2006年2月4日、近くて遠い天竜川流域の伊那谷と木曽谷の間、中央アルプスの中腹を貫き、権兵衛トンネルが
完成開通した。およそ300年の昔、木曽神谷の古畑権兵衛により峠越えの道が開削され、谷が狭く、急峻な木曽
では米の生産が少なく、峠を越えて伊那の米が木曽側に運ばれたこの道は、車で僅か30分で直結された。

木曽へ木曽へとつけ出す米は
伊那や高遠の涙米
涙米とはそりゃなさけない
伊那や高遠のあまり米


伊那節で知られるこの歌は、高遠藩が木曽からの借金返済に伊那の米を運んだ民衆の気持ちを今に伝えている。
国道361号線として、飛騨高山から霊峰木曽御嶽を廻り伊那高遠迄結ばれたこの道は、単に地域の経済や流通の発展
に留まらず、其々の伝承文化や歴史の上に成り立って、きっと新しい時代の風が吹き渡るであろう!
忘れてはならない先人の努力と汗、峠越えの歴史や文化、大自然の中のゆったりした時の流れと営みにも
その時々の人々の願いや悲しみが刻まれていることを思いつつ
地域の文化は今日明日では生まれない。
培われ育まれてきた歴史という時の流れに
利便性や速さだけを追い求めず
ゆったりと身をゆだね、日本というふるさとを今夢見る

(パネリストとして参加して)




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木曾語り三六五〇夜
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